日本茶に水はとっても大切です。

淹れたときの日本茶の、99%以上が、水です。
水が変われば、お茶の味もとうぜん変わってきます。
おいしいお茶を飲むには、どのような水を使えばいいのでしょう?

参考: 日本茶スタイルブック (社)日本茶業中央会 発行

日本茶に適した水とは??

バランスのよいミネラル、適度な硬度、pH、炭酸ガス、酸素を含み、有機物、鉄やマンガンなどが少ないものが日本茶に最適といわれています。

 
日本の水道水
日本の水道水はお茶に適した水の条件を満たしていますが、カルキ消毒されているため、そのままではおいしく飲めません。
ミネラルウォーターを購入される場合は・・・
ミネラルウォーターを使用する場合は、日本の水:軟水(六甲のおいしい水・サントリー天然水など)を購入されることをオススメします。外国産のミネラルウォーターは、硬水の場合が多いので、苦渋味・旨味のバランスが大切な日本茶には向いていません。
アルカリイオン水
アルカリイオン水を使用される場合は、pH値をご確認ください。日本茶の最適なpH値は、7.0程度のものです。
浄水器を使用されるいる場合
浄水器を使用されているご家庭でも、その水を沸騰させることによって、おいしく召し上がっていただけます。

日本茶の水道水を使う場合には・・・

水道水を使って、おいしいお茶を淹れるためには、水道水特有の嫌な臭い・カルキ臭を取ることが必要です。

◆ カルキ臭を取る方法
まず、前の日の晩(寝る少し前)から、やかんに水道水を汲み置きし、やかんのフタを少し開けておき、朝まで放っておきます。
朝、起床したら、そのやかんの水道水を沸騰させてください。
沸騰してから、火を弱火にし更に3~5分ほど、沸騰させ続けてください。
こうすることによって、水道水の嫌な臭い・カルキ臭を除去することができます。

 
ポイント1

水道水を4~5時間汲み置きする

ポイント2
沸騰させた後も、更に3~5分ほど沸騰させ続ける。
長時間、沸騰させると、水の持つミネラル分などが失われてしまいますので、ご注意ください。

カルキ臭除去の電気沸騰ポットなどがありますが、上記の方法をオススメいたします。

ミネラルウォーターを購入される場合には・・・

自宅の水がどうしても・・・という方は、市販されているミネラルウォーターを購入する方法をオススメします。
ミネラルウォーターを購入する場合は、日本の水:軟水(六甲のおいしい水・サントリー天然水など)を購入されることをオススメします。
外国産のミネラルウォーターは、硬水の場合が多いので、苦渋味・旨味のバランスが大切な日本茶には向いていません。
ただし、ヨーロッパでもイギリスは比較的軟水で、フランスのボルヴィックも軟水です。

◆ 水の硬度:軟水と硬水の違い
硬度とは、水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの量のことで、硬度成分の多いものを硬水・反対に少ないものを軟水と呼びます。

◆ 日本の水は軟水
日本の水道水の平均硬度は、約60mg/l。
アメリカやヨーロッパの多くの地域では、硬度200~400mg/lといわれています。
硬度、100mg/lを境に硬水と軟水に分けられますので、日本の水は軟水であると言えます。
(ただし、沖縄はやや硬度が高くなります)



◆ 日本茶に適した硬度
<硬水が向かない理由>
硬度が高いと、お茶の苦味が抑えられてしまいます。苦味・渋味・旨味のバランスが大切な日本茶には向きません。
<日本茶に適した硬度>
旨味・渋味・苦味がバランスよく出ます。日本茶には、硬度30~80mg/l程度の水が合うとされています。
<軟水が向かない理由>
硬度10以下になると、苦渋味を強く感じるようになり、日本茶には適さなくなります。
サントリー天然水  市販されているミネラルウォーターには、左写真のように、硬度の表示がされているものもあります。
これらの表示を参考にして、購入されることをオススメいたします。

写真は、サントリー天然水
 

アルカリイオン水・ph値による違い

アルカリイオン水を使用される場合には、pHの値を確認してください。
アルカリイオン水の場合、pHの値が日本茶に適す値よりもやや高いため、お茶の水色がやや赤黒くなる可能性があります。


pHの値
<酸性に近い水>
<中性に近い水>
<アルカリ性に近い水>
お茶の水色が薄くなる。
お茶の色は通常
お茶の水色が赤黒くなる。
お茶に適しているpH値は6.0~7.0程度のもので、微酸性のものが好ましいとされています。pHの値での、お茶の大きな違いは、水色への影響が大きくなります。